2021年9月29日、トヨタ自動車は全国の系列販売店で不正車検が見つかったことを明らかにしました。
台数は約6千台にもおよぶそうで、今後増える可能性もあるといいます。
- トヨタでの不正車検はいつから行われていたのか
- どのような車検内容だったのか
- 対象車の対応はどうなるのか
についてまとめました。
トヨタの不正車検いつから?

2021年9月29日、全国のトヨタ自動車系列販売店で計1501台の不正車検が発覚しました。
2021年3月に不正車検が発覚したネッツトヨタ愛知の5158台と合わせ、11社・12店舗に広がり合計6659台となったそうです。
不正が発覚したのは、2020年12月。
国土交通省中部運輸局の監査をきっかけに、ネッツトヨタ愛知が過去2年間の車検を調査。
2018年12月以降、2年間に受け付けた全車両で検査の一部を不正に省いていたことが発覚しました。
日本を代表する企業のトヨタ自動車で不正車検が行われていたというのはショックな出来事ですよね。
以前TOYOTA車に乗ってた時、ディーラーで車検→トランクぐちゃぐちゃで返却とか、オイル交換でシミがある→オイル漏れてるから漏れ止め入れたほうがいいとか、今回サービスしたから絶対うちで車検してと圧迫。こんなの続いて嫌になってTOYOTA嫌いになった。今回のことも驚きはないです。
— にいのひよこ (@Ninohiyoko) September 30, 2021
前回の車検なんてディーラーだしたら部品壊して修理になったし、帰ってきた車に傷ついてた。その場で確認してないから何も言ってないけど、買った店舗以外の店舗に車持ってくと営業もめっちゃ雑だよ。偶々かも知れんけど。
#トヨタ不正— 名前なし (@LHArAXzTNWdK) September 30, 2021
車検の違反が判明した販売会社と店舗

総点検も含め自社での発見したものが8件、国土交通省 各運輸支局による監査において4件が判明しています。
- トヨタモビリティ東京(株)レクサス高輪:517台(監査)
- トヨタモビリティ東京(株)江戸川瑞江店:5台(監査)
- 広島トヨタ(株)広店:8台(自社)
- トヨタカローラ山口(株)安岡店:10台(自社)
- ネッツトヨタ山梨(株)本社セイリア店:260台(監査)
- トヨタカローラ愛媛(株)中央通店:1台(監査)
- ネッツトヨタ沖縄(株)南風原店:20台(自社)
- 鳥取トヨペット(株)米子店:519台(自社)
- トヨタカローラ宮崎(株)日南店:1台(自社)
- 徳島トヨペット(株)阿南店:1台(自社)
- 沖縄トヨタ(株)宮古支店:2台(自社)
- 長崎トヨペット(株)琴海店:1台(自社)
トヨタ整備違反の原因は?

トヨタ系の販売会社では1990年代以降、本社主導で短時間車検サービスを導入していました。
- 仕事量が増える。
- 整備士不足が深刻化。
この様な悪循環の中で現場に無理が生じていたのかもしれませんね。
また、車検の入庫台数や売り上げなどの数値のみで販売店を評価していた!
今回の不正車検で象徴的になったのは短時間で検査が完了する「スピード車検」です。
- ネッツトヨタ愛知では、10年以上も前から最短45分で作業する「45(ヨンゴー)車検」を実施。
- ネッツトヨタ山梨では、約5年前から最短1時間ほどで車検を終える「スーパークイック車検」を実施。
- トヨタの完全子会社トヨタモビリティ東京が営むレクサス高輪店では、2時間で車検を終わらせることを目安にしていた。
「スピード」が売りのサービスになっってしまい、
適正に検査することよりも、「時間内に作業を終えること」の方が重視
されるようになっていたそうです。
車検の多くは手間や時間がかかる作業のはずですが、不正に省いた検査項目は複数あり、必要な作業を怠っていたとみられています。
不正車検の原因として考えられる事
- サービス現場における過大な業務量と、エンジニアの人員不足
- 車検制度への役割認識と遵法意識の不足
- 経営層・管理者と現場作業者の風通しの悪さ
- 指定整備における監査機能の不備
- 車検を正しくおこなうためのお客様への確認や説明の不足
再発防止に向けて
- 必要な人員の増強
- サービス機器の更新などを最優先で進める
- 不正を誘発する背景となりうる要因を改善
- 働く環境の改善や、職場風土づくり
- 改善をリードし継続できる人材の育成
トヨタ整備での違反内容

車検にかけるスピードを優先したために次の項目での不正が発覚しました。
- 排ガスや速度計の未検査。
- ヘッドライト光度の改ざん。
- ブレーキの検査のやり方が不適切。
国交省は2021年9月29日、トヨタに対し再発防止の徹底を要請する行政指導を行い、レクサス高輪に対しては民間車検場の指定を取り消す処分を行いました。
トヨタの佐藤康彦・国内販売事業本部長は、
「お客様の安心と安全を優先せず、それらを損なう結果になったことを何より重く受け止めている。営業成果重視、目標達成型のマネジメントにより、現場に無理をさせていた」
引用 : 朝日新聞社
と述べて陳謝しました。
トヨタ不正車検の対象車の対応はどうなる?

トヨタは一連の不正車検を受けて、全国の系列販売店4852店を対象に総点検を行っていますが、これまでに不具合や事故は報告されていないといいます。
不正車検の対象車は無償で順次、再検査を行うそうです。
まとめ
2021年9月29日、トヨタ自動車は全国の系列販売店で不正車検が見つかったことを明らかにしました。
仕事量は増えているのに、整備士は不足。
また、スピード車検を実施していたことなどが、今回の不正車検の原因となったようです。
安全性を確かめる車検での不正は、消費者の信頼を揺るがす事態。
今後のトヨタがどう変わっていくかで消費者との信頼回復につながっていくと思います。